老人ホームや介護施設の食事内容と注意するポイントを解説
毎日の食事は、慣れた味や献立が理想的ですが、高齢者になると好きな食べ物も自由に食べられなくなることも多くなってきます。
さらに、自宅ではなく老人ホーム等、高齢者施設に入居すると、思い通りの食事ができなくなるのでは?と考えがちですね。
しかし、そんなことばかりではないので、安心してください。老人ホームでは、高齢者の健康と安全、加えて楽しく生活できるように、介護スタッフが入居者に手厚いサポートをしているところも多くあります。
本記事では、老人ホームに入居した場合、どんな食事内容になるのか解説します。老人ホームが入居者にどんなサポートを行っているのか参考にしてください。
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目次
老人ホームの食事の役割
高齢者になると、食事制限や行動制限などさまざまな制約の中で生活するようになってきます。今まで普通にできていたことが少しずつ減ってきて、食事面でも固いものが食べられなくなったり、うまく食べ物が呑み込めなくなったりします。
老人ホームでは、制約の多くなった高齢者にやさしい食事を提供するサービスを行っています。やさしい食事とは、栄養バランスが良いこと、おいしそうに見えること、食べやすく工夫されていることなど、高齢者に寄り添った献立を介護スタッフがアイディアを出して提供しています。
では、具体的に、老人ホームが提供する食事の役割について解説します。
役割①健康維持
若い頃は健康について意識しなくても特に問題ありませんが、加齢とともに健康維持を意識的に行うことが高齢者の生活の基本となってきます。
老人ホームでは、高齢者が気にしている健康面の不安や疑問を取り除くために、管理栄養士の指導のもと、施設利用者の健康状態をチェックして適切な献立を提供します。
一人暮らしの高齢者の方が、自宅ではできない健康維持管理を、老人ホームに入居することで介護スタッフがサポートしてくれます。
老人ホームの献立表を見ると、最近では、老人食という感じではなくバラエティー豊かなメニューが用意されています。栄養バランスやカロリーチェック、施設利用者の持病を考慮しながら毎日の食卓が考えられています。
役割②認知機能の衰え防止
老人ホームでは、認知症の方も受け入れている施設もあります。認知症の方が老人ホームで生活することで、施設内で行うレクレーションや利用者同士の交流などによって、認知症の進行を抑える効果も期待できます。
認知症の進行を防止する方法としては、社会とのつながりを維持することや、人と触れ合うこと、活動的に何かやってみる、運動する、健康管理を心がける、食生活の乱れを正す等があり、老人ホームでは、認知症が進まないような環境を利用者に提供することができます。
認知症は現代医療では完治することは難しいと言われていますが、老人ホームなど高齢者施設で適切なサポートを施すことで、認知症の進行を緩やかにすることができます。
認知症のケアとして、老人ホームでは高齢者の食生活の見直しについても貢献しています。
【関連記事】認知症を予防する食事の摂り方とは?おすすめの食品も紹介
役割③コミュニケーションの活性化
高齢者になると、新しい場所に馴染むことや新しい人間関係を築くのが難しくなる傾向です。しかし、老人ホームに入居する利用者の方々は、同じ目的や同じような健康状態の方と一緒に暮らしていくため、コミュニケーションの場で仲間を作りやすくなります。
老人ホームでは、利用者同士が自由に交流できる場があり、食事の時間には、皆さんで食卓を囲って食べることもできます。施設内では、利用者の誕生会を設けて交流を深めたり、利用者同士が、同じ趣味を通して楽しんだり、コミュニケーションしやすいように施設スタッフが一緒に楽しい雰囲気づくりをしてくれます。
老人ホームの食事内容
老人ホームや介護施設で提供する食事は、施設利用者の健康状態に合わせて高齢者食から介護食まで対応しているところが一般的です。
高齢者食は、ほぼ普通食と同じですが、高齢者の好みに合わせて食べやすく考えられた食事です。
食材を細かく刻んだりしてなるべく咀嚼しやすいように工夫されています。
介護食は、高齢者食では食べるのが難しい入居者に、個別に献立を考えてくれます。ただし、介護食については、施設によって献立も違いますので、事前に確認しましょう。
老人ホームの献立づくりは、管理栄養士が考えて、栄養補給が充分に行き届くような配慮がされています。
老人ホームで作る食事のカロリーは、1日あたり平均1650kcalに調整されています。1食500kcal、おやつは平均50kcalです。
※老人ホームの献立の一例
- 朝食:ご飯、味噌汁、煮魚、野菜サラダ、
- 昼食:そば、ポテトサラダ、フルーツゼリー
- 夕食:混ぜご飯、味噌汁、冷奴、漬け物
- 朝食:トースト、野菜スープ、卵焼き、ヨーグルト
- 昼食:ご飯、野菜あんかけ、和え物、フルーツ
- 夕食:うどん、煮物、フルーツサラダ
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老人ホームの食事提供のアイディア
老人ホームでは、入居者の健康状態をヒアリングして、それぞれの能力に合った食事が提供できるようにサポート体制を作っています。
では、具体的に老人ホームで提供されている食事について解説します。
選択食
老人ホームの食事は、利用者が食べたいメニューを選ぶことができます。例えば、和食、洋食、中華のどれにするか?肉または魚、うどんまたはそば、などいくつかのメニューから自由に選びます。決められたメニューを食べるよりも、好きなごはんを選ぶという行為が利用者にとって楽しみのひとつになり、食欲を高める効果に繋がっていきます。
【関連記事】高齢者が食欲不振になる原因とは?効果的な改善策も紹介
行事食・イベント食で雰囲気づくり
どこの老人ホームでも、恒例として行われているのは、季節ごとのイベントや行事に合わせた特別料理です。正月のおせち料理、ひな祭りや節分にちなんだ食事、クリスマス料理など、定番の行事にはできるだけ特別な料理を提供して、利用者の笑顔がたくさん見えるように工夫されています。
※イベント特別料理の例
- 正月:お雑煮、七草がゆ
- 3月~4月頃:花見お弁当
- お盆:精進料理
- お彼岸:おはぎ
- ハロウィン:カボチャ料理
- 11月:紅葉弁当
- 12月:年越しそば
【関連記事】老人ホームの行事食とは?内容や特徴を紹介
食事の見た目や彩り
食事の栄養バランスの他に、食事の盛り付けや彩りにこだわった料理が提供されます。
老人ホームでは、適度な運動やレクレーションなどで食欲が出るように誘導していますが、食欲増進効果には食事の見た目も大切です。施設利用者の毎日の楽しみのひとつは食事の時間でもあるため、配膳されたトレイに素敵な盛り付けで彩り豊かな食事がでてくれば食欲が湧いて、栄養不足の問題も解消されます。
高齢者が栄養不足を引き起こすと、疲労感や風邪を引きやすくなる、転びやすくなる等、ちょっとした異変から、大きな病気へと繋がる可能性が高まります。
したがって、高齢者の食欲が湧くような試みとして、老人ホームで提供される食事は見た目にも気配りがされています。
【関連記事】高齢者の栄養バランスの良い食事提供するために押さえたいポイント
見える厨房で安心感
老人ホームの中には、施設内の厨房を開放型にして、見えるキッチンを展開しているところもあります。毎日の食事を作る人の様子や厨房の風景が見えることで、利用者の安心感と、食事が楽しくなる雰囲気を作っています。
老人ホームの食事における調理方法
老人ホームでは、普通食が食べられない利用者には、身体能力に合わせて介護食を提供しています。
以下は、一般的な介護食の種類を紹介します。
軟菜食
普通食より食材を柔らかく煮込んだり、つぶしたりした介護食です。咀嚼力や飲み込む力が衰えた方は軟菜食にすると食べやすくなって、咽のつまりやむせる問題も解消します。
柔らかく調理してあるので、歯がなくても歯ぐきで嚙みながら食べることができます。
柔らかさは調理の仕方で調整できるので、利用者の健康状態に合わせて対応できる介護食です。
【関連記事】軟菜食とは?おすすめの方や作る際のポイントも紹介
ゼリー食
食材をミキサーやフードプロセッサーですりつぶしてペースト状にし、凝固剤でゼリー状に固めた介護食です。咀嚼力の衰えた方が食べやすい食事です。
ゼリー状に固まっているので喉から食道、胃までの流れがスムーズで、途中でむせたりつかえたりするトラブルも無くなります。ゼリー食は食べやすく、食事介助の方が食べさせるのも比較的簡単です。
ミキサー食
食材をミキサーでおかゆ状にした介護食です。咀嚼力と嚥下力が低下している高齢者が食べやすくなる食事です。
流動食なので、胃調や消化器官が弱まった方に負担がかからないメリットがあります。ミキサーにかけると見た目がほぼ同じになってしまうので、食欲がわかないデメリットもあります。ワンポイント彩りを加えたり、盛り付ける器を工夫したりすると良いでしょう。
【関連記事】ミキサー食とは?ミキサー食を作る際のポイントや注意点を解説
その他
飲み込む力が弱まっている高齢者の方には、飲み物にとろみをつけると飲みやすくなります。飲み込む力が弱まると気管機能が低下して、むせやすくなります。よく高齢者の方が、むせている様子は、気管の開閉が衰えているからです。
気管機能の低下は、悪化すると肺炎の原因(誤嚥性肺炎)にも繋がってしまいます。
老人ホームで提供している介護食は施設ごとに異なりますので、入居する前にどんな介護食を食べているのか見学または問い合わせて確認することをおすすめします。
施設向け食材を検討している方へ
センターミール株式会社では、高齢者向け施設における食事の提供を、ただの「食事の時間」から「楽しみの時間」へと変えることを目指しています。私たちの食材は、おいしさを最優先に考えながらも、施設の予算に配慮した価格設定で提供しています。また、各施設のニーズに合わせて、メニューのカスタマイズも柔軟に対応可能です。
初めて業者をご利用される方も業者の入れ替えを検討している方もぜひ一度ご相談をしてください。
老人ホーム入居前の食事チェックポイント
老人ホームの食事提供はどんな感じかイメージできましたか?
では、最後に、老人ホームを選ぶポイントとして、食事について確認したい内容をまとめておきます。
まずは、一度見学に行くことをおすすめします。施設によっては、毎日の食事を試食させてもらえるところもあります。事前に問い合わせて確認しましょう。
老人ホームの食事について、味付け、献立、衛生面、食事介助、施設の雰囲気、入居者の食事風景など、気になる点を見て来ると安心します。
老人ホームでの食事は入居者のことを最大限考えて作られている
老人ホームでは、高齢者にやさしい食事づくりのために、食欲増進するようなサポート、栄養バランスを考えた食事等、さまざまなアイディアを取り入れています。
高齢者になると、食事や行動がうまくできなくなってしまいますが、老人ホームでは、施設利用者のペースに合った介助、サポートを行っています。
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郷土料理の提供や行事食のメニューも充実しているため、完調品の配食サービスをご検討の方は、お気軽にご相談ください。
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