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高齢者の栄養バランスの良い食事提供するために押さえたいポイント

栄養バランスの良い食事は、高齢者の健康管理のために大切です。若い世代に比べると同じ食事をしても消化吸収の度合いが異なるため、高齢者本人に合わせてカロリーや栄養のバランスを考える必要があります。食事の栄養の吸収がよくなるように、適度な運動も心がけましょう。
本記事では、高齢者に栄養バランスの良い食事を提供するためのポイントについて解説します。

 

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栄養バランスの良い食事とは?

食事の献立は、「主食・主菜・副菜」の組み合わせで考えます。3つの料理がバランス良く調理できると、栄養バランスの良い食事ができあがります。
高齢者施設では、栄養バランスの良い食事の献立を管理栄養士が考えて、施設利用者の方々の健康維持のサポートをしています。

「主食・主菜・副菜」、それぞれの役割と食材を簡単にまとめておきましょう。

  • 主食:活力の源になる炭水化物(ごはん、うどん、そば、パスタ、ラーメン、パン)
  • 主菜:体をつくるたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)
  • 副菜:体の調子を整えるミネラル・ビタミン(野菜、果物、こんにゃく、海藻類)

栄養のかたよりや不足が招く症状

栄養バランスの良い食事がとれないと、さまざまな病気のリスクが高まります。
栄養不足になると、風邪をひきやすく疲労感がたまり、めまいやふらつき、筋肉の衰えによって転びやすくなります。食事が思うように取れないため体重が減ってきます。
また、自覚症状の他に他人から見ても顔色が悪く元気がない様子がわかり、乾燥肌やむくみなど、表から見える症状が出てきます。
栄養不足による症状が悪化すると、骨が折れやすくなったり、誤嚥性肺炎、低たんぱく血症、低血糖の病気になる可能性が高くなります。
高齢者の場合は、体力低下によって低栄養になりやすいため、周りの家族や介護の方が、食生活のコントロールをすることが必要です。

【関連記事】高齢者に多い「低栄養」とは?症状やケア方法を紹介

 

バランス良く摂取したい3つの栄養素

高齢者の低栄養を防ぐためには、「タンパク質、炭水化物、脂質」の3つの栄養素をバランスよくとれるように献立を考える必要があります。

栄養素①タンパク質

免疫力低下や筋肉の衰えを防ぐためにも、食事にタンパク質を取り入れることが必要です。
高齢者になると、歩くだけでも疲れて転びやすくなったりします。貧血の症状を防ぐためには、魚(アジ、まぐろなど)、豚肉赤身、卵、豆腐、納豆などを食事に取り入れると疲労回復に繋がります。

栄養素②炭水化物

高齢者になると、体力が低下することで動作が遅くなり、立っているのも難しくなったりします。体を動かす源となる炭水化物が不足すると、活力がなくなり家の中にこもりっきりになったり、衰退して寝たきりになる方もいます。症状としては低血糖のリスクが高くなります。低血糖は、血糖値が著しく下がるため、体の活力不足が見られ、意識障害を引き起こす場合もあります。
高齢者の食事には、ごはんやうどん、パンなどをメインに栄養バランスの良い献立を作ることが大切です。

栄養素③脂質

神経組織やホルモンをつくる脂質は、高齢者の食事にも欠かせない栄養素です。
脂質の摂取量の目安は、1日大さじ1杯程度です。料理に使う油だけでなく、パンにバターをぬったり、サラダにマヨネーズを入れたりして取り入れることができます。
また、アジやサンマなど青魚やナッツ類にも脂質が含まれています。
脂質は摂り過ぎると肥満や脂質異常症の原因になり、不足するとエネルギーが消耗しやすくなるため、年齢と体調に合った適量を取ることが必要です。

 

健康に欠かせない不足しがちな5つの栄養素

高齢者が不足しがちな栄養素について解説します。体力が低下している場合、消化吸収しにくくなりますが、管理栄養士の指導を受けながら、摂取しやすい献立を考えることをおすすめします。

栄養素①食物繊維

食物繊維は消化吸収されず大腸まで流れる栄養素です。食物繊維は腸の働きを良くする働きがあり、便秘がちな方は、野菜や芋類、きのこなどを献立にいれると排泄の問題が解消しやすくなります。糖尿病や脂質異常症など、高齢者がかかりやすい病気の予防に食物繊維を摂ると効果的です。また、高齢者で食欲低下で栄養不足になっている場合は、食物繊維を含む飲み物「ココア」がおすすめです。

栄養素②ビタミン

高齢者がなりやすい骨粗鬆症はビタミンD不足がひとつの理由です。加齢とともに体力が低下し運動不足でビタミンDが不足すると、骨がもろくなって骨粗鬆症になり、悪化すると起き上がるのも難しくなります。ビタミンDは、食事から摂るほかに日光浴もおすすめです。また、ビタミンB6、ビタミンC、鉄などが不足すると貧血でめまいを引き起こしやすくなります。ビタミンは他の栄養素と連携して体づくりに大切な栄養素になります。

栄養素③鉄

貧血は鉄不足によって起きています。ただし、高齢者の場合は体力低下や体調不良のときに鉄を含む食事をしても吸収されにくくなります。
特に、感染症、膠原病、悪性腫瘍などの病気による貧血が高齢者に多いです。
高齢者の貧血の症状は、めまい以外に、倦怠感や動機、息切れが伴います。貧血の食事療法は、ほうれん草、魚介類、まぐろ、レバーなどを献立に摂り入れると良いでしょう。
ただし、鉄分不足による鉄欠乏性貧血以外の症状の場合は、医師の診断によるアドバイスが必要になります。

栄養素④カルシウム

高齢者が転んで寝たきりになってしまうケースがあります。運動不足や栄養不足から骨の強度がなくなり、転びやすくなります。転びやすくなるのは、カルシウム不足が原因のひとつです。年をとって食事量が減るとカルシウムの摂取量も減ってしまう場合もあります。
高齢者の食事には、小魚、小エビ、海藻類、大豆製品、乳製品、ごまなどがおすすめです。

栄養素⑤カリウム

高齢者のカリウム不足は、排泄や消化力がうまくいかない方の場合、下痢や嘔吐によって体の外に排除されてしまう場合が多くなります。また、利尿薬を使用している方は、同じく体に吸収される前に体外に流れてしまうこともあります。
カリウムが不足すると、高血圧や心臓発作のリスクが高まります。
高齢者のおやつにナッツ類やフルーツを提供したり、肉、魚、豆類、海藻類、きのこなどを使った献立がおすすめです。

 

栄養バランスのよい食事にするポイント

では、必要な栄養素が不足しないように、バランスの良い食事をするためのポイントを解説します。主食・主菜・副菜をそろえて、食事量は多すぎず少なすぎず適量で考えましょう。
高齢者に必要な1日の食事摂取量の目安は、年齢別、男女別で以下の通りです。

  • 65~74歳:男性2,400kcal、女性1,850kcal
  • 75歳以上:男性2,100kcal、女性1,650kcal

平均の食事摂取量を基本に、必要な栄養素を計算して高齢者に提供する食事の献立を作ります。例えば、70歳男性の場合、1日に「主食5〜7、副菜5〜6、主菜3〜5、乳製品2、果物2」が農林水産省で推奨されているバランスです。

ただし、糖尿病などで塩分や糖分を控える必要がある方や、薬を服用している方等、高齢者の健康状態に合わせてカロリー計算するようになります。

【関連記事】高齢者の食事量の目安は?介護食やお粥の量の具体例を解説

朝食

朝食には炭水化物とタンパク質を摂り入れた元気の出る献立を考えましょう。
体の筋肉の衰えを防ぐタンパク質と1日のエネルギーをつくる炭水化物が大切です。

  • 献立例:食パン、スクランブルエッグ、牛乳、野菜サラダ、リンゴ

昼食

昼食には、適切な摂取量の脂質を摂りましょう。昼食に食べた脂質は消化吸収しやすくなります。揚げ物や炒め物などは昼食におすすめです。

  • 献立例:バター炒めご飯、すまし汁、とうふ、きのこのソテー、オレンジ

夕食

夕食は昼間より吸収しやすいカルシウムを摂ると良いでしょう。骨が弱くなっている高齢者には、カルシウムの入った献立がおすすめです。夜に少量、牛乳を飲むと栄養バランスが良くなります。

  • 献立例:ご飯、味噌汁、煮魚、野菜煮物 牛乳

 

バランスの良い食事とは何かを理解した献立を考えよう

高齢者は、体力低下に伴い、食事の栄養を消化吸収しにくくなっているため、年齢に合った献立が必要です。特に、筋肉低下や骨が弱くなっているので、必要な栄養をそろえて、朝、昼、夜とおやつに分けてバランスの良い食事を提供できるようにしましょう。

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