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グループホームの食事提供の役割とは?意識したいポイントも解説

グループホームでは、認知症の方が任意で食材を調達したり料理をしたり、食事を中心とした活動に参加することができます。また、楽しい食卓を囲むために介護スタッフと入居者が食事を共にし、コミュニケーションを育みます。
本記事では、グループホームの食事提供の役割や食事の特徴、意識したいポイントを解説します。

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グループホームとは

グループホームとは、認知症の高齢者が9人以上のグループで専門スタッフの介助を受けながら共同生活する施設です。家庭的な環境のもと、認知症の進行を緩やかに抑えるためや 能力に応じた日常生活ができるようにサポートを行っています。
自立型生活を目指す試みとして、入居者が料理や掃除などができる環境を提供しており、この点は他の介護施設とは異なる特徴です。
なお、グループホームに入居できる対象者は、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 65歳以上である
  • 要支援2または要介護1以上の認定を受けている
  • 医師の診断が認知症である
  • 集団生活ができることに支障がない
  • 施設と同じ市区町村に住民票がある

認知症とは、脳に何らかの原因で記憶・判断力などの障害があり、日常生活が正常にできなくなる状態のことです。グループホームを利用する入居者は、要支援2(日常生活に介助や支援が必要な方)または要介護1以上(立ち上がりや歩行に不安定さが見られ日常生活において介護が必要な方)で、共同生活ができることが重視されるため、寝たきりや重度認知症の場合は、受入に対応していない施設もあります。

 

グループホームの食事の特徴

グループホームは、少人数でアットホームな雰囲気が特徴ですが、食事に関しても認知症予防になるようなきめ細かなサポートを行っています。
では、グループホームの食事の特徴について解説します。

特徴①健康的な献立が多い

入居者の健康状態に配慮しながら栄養バランスに良い献立を提供しています。塩分やカロリー、調理の仕方などを考慮して入居者の体調や身体能力に合わせて食事作りを行います。
高齢者になると、普通食が食べられなかったり、または偏食になりやすくなりますが、グループホームでは、栄養バランスの良い食生活ができるようになっています。

【関連記事】介護食とは?普通食との違いや5つの種類と作り方のポイントを解説

グループホームの献立例

グループホームの献立の一例を紹介します。
肉・魚、野菜やフルーツをバランスよく取り入れて、入居者の好みを抑えつつ考えられています。

朝食 昼食 おやつ 夕食
ご飯 ご飯 ようかん ご飯
味噌汁 味噌汁 味噌汁
冷やっこ アスパラベーコン巻き 野菜サラダ
魚の煮つけ 海苔 生姜焼き
漬け物 オレンジ 漬け物

 

特徴②入居者に合った形態の食事を提供している

グループホームでは、入居者の状態に合わせて食事を提供しています。例えば、嚥下機能が低下している方には、食べやすいように食材をペースト状にしたり、とろみを付けたり調理の工夫を心がけています。
嚥下機能とは、食べ物を咀嚼して食道から胃へ送り込む機能で、この機能が高齢と共に低下する傾向があります。認知症の方の場合、認知機能の低下に伴い食べ物を上手く呑み込めなくなるため、グループホームでは調理法を工夫して食事を提供しています。
また、認知症の方の場合、まったく食べなかったり、逆に食べすぎたり等、規則的な食事ができないことが多く、栄養状態が悪くなっているケースもあります。
グループホームの食事では、認知症の方の能力に合わせて、無理のない食生活を推進しています。

特徴③入居者と職員が一緒に料理する

グループホームでは、入居者と職員が一緒に共同で料理を行います。入居者の任意で食事作りに参加することができます。
例えば、食材の買い出しから献立を考えること、実際に調理用具を使って料理をするなど
入居者の能力や意欲に合わせて職員がサポートします。
認知症の場合、2つの作業を同時にできないため、ひとつずつ丁寧に相談しながら共同作業を行います。
また、認知症の方が食事作りに参加することは、今まで習慣づいていた料理の作業をもう一度繰り返して行うことで心身機能の回復に繋がるメリットがあります。
職員と入居者が一緒に共同作業を行うことで、社会とのつながりや人と関わり合うことができて心身ともに活性化することができます。

 

グループホームの食事の役割

グループホームの食事提供の役割は、入居者の健康維持のために認知症予防の食事を提供し、入居者同士や職員と共同作業することでコミュケーションを育みます。

役割①健康維持

一般的に食事をする目的は、栄養補給することで病気にならないように健康維持することと、食事をすることで楽しく潤いのある生活をすることがあげられます。ただし、認知症になると、この2つの目的が認知機能の低下によって簡単にできなくなります。
グループホームでは、認知症の方が、食事がうまくできないことで栄養バランスが崩れたり病気がちにならないように適切な食事提供のサポートを行います。

役割②認知症の予防

認知症の予防には、栄養バランスの良い食事と適切なカロリー摂取が必要です。また、楽しく食事を作ったり食べる環境も大切です。
食事の習慣は、個々に異なるため、基本的な食事環境は共有できるようにしながら、できるだけ個人の好みや習慣を尊重しながらサポートできることが必要です。
認知症の方は、食事を拒否する場合もあり、対応が難しくなることもあります。
食事を食べないのは何らかの理由があるはずですが、まずは食べたくないということを理解し、必要な摂取カロリーが不足しないように対応します。例えばおやつで工夫したり、外食で気分転換するなども認知症予防の方法のひとつです。

【関連記事】認知症を予防する食事の摂り方とは?おすすめの食品も紹介

役割③コミュニケーションづくり

グループホームでは、入居者と職員が一緒に食卓を共に過ごします。認知症予防には、食事を楽しくすることがとても大切です。
食事の献立について会話したり、日々の出来事を話したり、気軽に話ができる環境をグループホームは提供しています。
グループホームの入居者は、まったく知らない人どうしが共同生活をしているため、食卓を囲みながら会話をすることで、コミュニケーションづくりのきっかけになります。
入居者それぞれの性格や習慣を踏まえて、気遣いのない雰囲気づくりができると良いでしょう。

 

グループホームの食事で意識したいポイント

では、続いてグループホームの食事で意識したいポイントを解説します。

ポイント①栄養バランスを意識した食事

入居者の好みや食習慣を尊重することは大切ですが、好き嫌いを優先しすぎて、栄養バランスが偏ってしまわないように気をつけましょう。
介護する際に、入居者の気持ちを優先すること、健康管理のための栄養バランスを保つこと、これら両方を上手く調整しながら介助する必要があり、介護スタッフにとっては難しい対応になります。入居者本人の意志を尊重したばかりに命に関わる問題に発展することもありますので、あくまでも健康を害しないような栄養バランスを意識することは大切です。

【関連記事】高齢者の栄養バランスの良い食事提供するために押さえたいポイント

ポイント②食堂の清潔感やスタッフの雰囲気

食事を美味しく食べるためには、周りの環境整備も大切です。入居者の健康維持のためにも衛生的な食堂や食器や調理用具が整っていることが必要です。また、グループホームのスタッフの和やかな様子は、入居者やその家族の安心感にも繋がります。
入居者に対してスタッフが監視しながら、無理やり食べさせるような態度を取った場合は、あまり好ましい対応とは言えません。
業務に追われて忙しいスタッフが、食事の時間には、ゆっくり入居者と楽しく食卓を囲める雰囲気が理想的です。

ポイント③見た目や彩りの工夫

栄養バランスの取れた食事は、盛り付けや食材の彩りなども工夫があると、食事の時間がさらに楽しくなります。食材の色について「暖色系」の食材は、食欲増進させる効果があり、
「寒色系」の食材には、ストレス解消の効果が期待されます。また、盛り付け方によって同じ献立でも、見た目の違いだけで食欲の効果が変わって来ます。

ポイント④適切な食事介助

グループホームに入居する前までは、食事作りをしていた主婦の方もいらっしゃいます。ただし、グループホームによっては、食事に関わる範囲が違うため、料理全般に関わることができずストレスを感じてしまう入居者の方もいらっしゃいます。
グループホームで食事作りは、認知症の方ができる範囲と意欲を尊重して、適切な介助ができると良いでしょう。
また、料理に参加したくない方は、無理強いせずに、できる範囲で一緒に活動できるように誘導できることも大切です。
また、入居者の身体能力や毎日の健康状態に合わせて、調理の工夫をしたり、楽しい食事環境を提供できると良いでしょう。

【関連記事】食事介助の留意点とは?留意すべきポイントや注意点を解説

 

グループホームの食事代

では、続いて、グループホームでかかる食事代の相場を解説します。

食事代の相場は、食事3回分とおやつで月額4万円前後、1日当たり1,300円程度が目安です。グループホームの食事代は、介護保険給付の適用外になるため全額自費です、消費税は不要です。

 

グループホームで食事面のサポートを行い入居者の方々の毎日をより充実したものに

グループホームでは、入居者の能力に合わせて食事作りに参加したり、入居者とスタッフが一緒に食事をしたりなど、食事を中心とした活動を大切に運営しています。
認知症の方は、食事がうまくできなかったり偏食がちになったりして栄養補給が足りなくなったりするため、グループホームでは、食事面のサポートにもしっかり重点を置いて対応しています。

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