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高齢者の食事における注意点とは?おいしく食べてもらうコツも紹介

高齢者施設にて「食事」について悩んでいる方に向けて、高齢者の方の食事における注意点や特徴をご紹介します。

高齢者の方に食事の介助をしていると「食が進まない」「なかなか食べ終わらない」「むせる」などの問題があることでしょう。
おいしく楽しく、安全に食事を楽しんでもらうためには、高齢者の方の食事の注意点を把握することから始めてください。

今回の記事では高齢者の方の食事における特徴や注意点、取り入れたいポイントなどを解説します。
参考にしていただければ、もっと喜んで食べていただける食事のポイントがおわかりいただけるはずです。

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高齢者の食事の特徴

高齢者の方の食事には、いくつかの特徴と注意点があります。

【特徴・注意点】

  • 咀嚼力が弱くなっている
  • 嚥下力が弱くなっている
  • 唾液の分泌量が減っている
  • パサつきがちな食べ物が食べにくい
  • 味覚が低下している
  • 消化機能が低下している

まず高齢者の方の特徴として、咀嚼力・嚥下力・唾液の分泌量が低下していることがあげられます。

嚥下力とは食道部分での飲み込む力のことです。
そのため硬くパサついたものは食べにくく、ともするとうまく飲み込めず、嚥下障害を起こしてしまうかもしれません。

また、年齢を重ねると味覚も低下してくるため、通常の味付けでは「薄い」と感じるようになることもあります。
しかし、消化機能も低下してきているため、あまりに濃い味付けだと胃もたれの原因となることもあるでしょう。

高齢者の方に食事を提供する際には、高齢者の方の食に関する特徴や注意点を考慮することが重要です。

 

高齢者の食事でよく起こる注意点

それでは高齢者の方の食事中によく起こるトラブルや注意点について見ていきましょう。

注意点①食べ物を噛みきれない

まずよく見られるのは、食べ物を噛みきれないケースです。

おせんべいやナッツ類、フランスパン、するめなどは硬く、噛みにくい食材の代表となります。
また、ささみや生野菜などは噛みきりにくく、高齢者の方だと食べるのが大変だと感じられることも少なくありません。

若い方では難なく噛みきれる食べ物でも、高齢者の方にとっては食べにくい食材となることがあります。

注意点②口に入れてから飲み込めない

食べ物を口に入れてくれたものの、なかなか飲み込めない…とのケースもあるでしょう。
硬い食べ物、噛みきりにくい食べ物だけでなく、乾燥した食べ物、パサパサした食べ物でもよく見られます。

高齢者の方は唾液の分泌量が少ないため、乾燥した食べ物を口の中で咀嚼しにくくなります
咀嚼しにくいため、結果的になかなか飲み込めません。

注意点③むせたり、咳き込んだりする

高齢者の方は、食事中にむせたり咳き込んだりすることがとても多いことも注意点のひとつです。
スープや味噌汁など水分の多い食べ物で起こりやすいですが、場合によってはご自身の唾液でむせることもあります。

食事中のむせこみや咳込みは、誤嚥性肺炎のリスクを高める要因です[1]。
むせたり咳き込んだりしやすいときは、無理に食べさせようとせず、調理法や食べ方に一工夫が必要となります。

注意点④食事に時間がかかる

高齢者の方の食事の注意点として、食事に長い時間がかかることもあげられます。
食事に時間がかかる場合、高齢者の方の食が進まない何らかの理由があると考えられるでしょう。

たとえば1人で食事をしていて、気分的に食欲が湧かないなどが考えられます。
味付けが好みでなかったり、飲み込みにくいものがあったりすることも理由のひとつです。

また、疾患によって食事に時間がかかることもあります。

長く時間がかかる場合、食が進まない理由を見つけ出さなければなりません。

 

高齢者の食事に取り入れたいポイント

高齢者の方の食事には、いくつもの注意点がありました。
そこで、注意点に対応するため、食事に取り入れたいポイントについてご紹介します。

ポイント①食べやすい食品・食材を選ぶ

食事をおいしく、食べやすく食べてもらうためには、食べやすい食品・食材を選ぶことが大切です。

食べやすい食品・食材 食べにくい食品・食材
主食 おかゆ・パン粥 フランスパン・トースト・スパゲティ・ラーメン・そば・うどん・チャーハン・ピラフ・お茶漬け
野菜 柔らかくゆで、繊維質を切ってとろみ付けした野菜(キャベツ・にんじん・たまねぎ・大根など)・千切り野菜の塩もみ・皮むきしたトマト・とろろいも きゅうり・千切りキャベツ・レタス・ふき・ごぼう・たけのこ・セロリ・もやし・水菜
肉類 やわらかな肉団子・つみれ・つくね・ハンバーグ 厚みのある肉・そぼろ・薄切り肉・ハム
魚類 たたきにした刺し身・あんかけにした魚 かまぼこ・焼き魚・イカ・タコ
果物類 果物缶詰のピューレ 柑橘類・リンゴ・ナシ・カキ
海藻類 やわらかく煮た海藻・細かくきったもずみやとろろこんぶ・寒天 のり・わかめ・こんにゃく・焼きのり・わかめ
乳製品 ヨーグルト・飲むヨーグルト・アイスクリーム・プリン
その他 カレー・シチュー・ポタージュスープ・ゼリー・水ようかん・たまご豆腐・具なし茶碗蒸し がんもどり・はんぺん・酢の物・酢味噌・ふかし芋・きなこ・もち・味噌汁・豆腐

高齢者の方の食べやすい食材・食品は、「柔らかく適度な喉越しで口の中でまとまりやすいもの」です。
反対に食べにくいものは、「硬い・粘る・弾力がある・粉っぽい」食べ物。

豆腐は食べやすい食材だと思われるでしょうが、喉で形が崩れてしまうため、意外と食べにくい食べ物となります。
喉越しが良くても、味噌汁や水、お茶などは喉どおりが良すぎるためむせやすくなる食品です。

また、すすらなければならない麺類や口の中でまとまりにくいチャーハン、水分が少ないトーストなど、高齢者の方の食事では主食に要注意です。
生野菜も繊維が多く硬い食材なので、細かく切って柔らかくゆでたり煮たりして、食べやすいようにしてください。

ご紹介した食品・食材を参考にしながら、高齢者の方でも食べやすい食事を提供してあげましょう。

【関連記事】柔らかい介護食(やわらか食)とは?メリットやデメリットを解説

ポイント②栄養バランスを意識する

食べやすさだけでなく、栄養バランスを意識した食事にすることも大切です。

高齢者が特に不足しがちな栄養素を確認してみましょう。

【不足しがちな栄養素】

  • タンパク質
  • ミネラル(特にカルシウム)
  • ビタミン(特にビタミンD)
  • 食物繊維

高齢者の方は筋肉量を維持するため、タンパク質の摂取が重要です。
しかし、肉や魚は口の中でパサつきやすく、高齢者の方が敬遠しがちな食材であるため不足する傾向にあります。

また、硬く噛みにくい野菜に多く含まれるミネラル・ビタミン・食物繊維も不足しがちな栄養素のひとつです。

以上の栄養素を含む食材を積極的にとりいれると、高齢者の方の健康を維持しやすくなります。

【関連記事】高齢者の栄養バランスの良い食事提供するために押さえたいポイント

ポイント③噛みやすくする

高齢者の方の食事における注意点として、「噛みやすくする」ことも重要なポイントです。

噛みにくい食品・食材が多いと食が進まないだけでなく、誤嚥の可能性も高まります。
しかし、同じ食品・食材でも、調理法次第で噛みやすくなるものです。

【調理法一例】

  • 口の中に入れやすい、噛みやすい大きさにカットする
  • 肉はたたいて柔らかくする
  • 肉の皮や脂身は切り取る
  • 野菜は繊維質を断ち切るようにして長時間かけて煮込む
  • 野菜の皮は取り除くもしくは切れ目を入れる

噛みにくい食材でも、小さなサイズにしたり、歯茎でつぶせるくらいの柔らかさにすれば噛みやすくなるでしょう。
また、肉や野菜は繊維質を断ち切ること、皮を取り除くことなどで食べやすくなる食材です。

噛みにくい食材・食品も、調理のひと手間で高齢者の方でもおいしく食べられるようになります。

【関連記事】きざみ食とは?メリットやデメリットと作り方のポイントを解説

ポイント④飲み込みやすくする

噛みやすくするのと同様にポイントとなるのが、飲み込みやすくすることです。

飲み込みやすくするには、いくつかの調理ポイントがあります。

【調理法一例】

  • 煮崩れが起きるくらいの柔らかさに煮込む
  • 裏ごしをして舌触りをなめらかにする
  • ミキサーを使ってピューレ状にする
  • とろみをつけたりあんかけにしたりする

飲み込みやすさのポイントは、「柔らかさ」と「舌触りの良さ」です。
舌触りを良くするためには裏ごしをして繊維質を取り除いたり、ピューレ状にしたりするのが基本となります。

また、とろみをつけた食材は高齢者の方にとって飲み込みやすいものです。
特にパサつきがちな魚や肉をあんかけにすると、むせこむこともなく食べてもらえるようになるでしょう。

【関連記事】ミキサー食とは?ミキサー食を作る際のポイントや注意点を解説

ポイント⑤食事の好みに合わせる

高齢者の方に食事を食べてもらうには、お一人お一人の食の好みに合わせることも欠かせません。
高齢者の方向けの味付け・調理法・食材はありますが、食事はおいしく味わうものです。

どのような食材や調理法が好みなのかを把握して、好みの食事を提供すればよろこんで食べてくれることでしょう。
高齢者の方の食事にはさまざまな注意点がありますが、注意点とともに個人の好みを意識して食事を提供してください。

ポイント⑥見た目も意識する

最後のポイントは「見た目」です。
どれだけおいしい食事でも、見た目がおいしそうでなければ食べてもらえないかもしれません。

料理には食欲をそそるような見た目の美しさも大切です。
噛みやすさ・飲み込みやすさ・おいしさ・好み・見た目がそろってこそ、高齢者の方によろこんでもらえる食事となります。

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高齢者の食事を介助する際に押さえておくこと

それでは最後に、高齢者の方の食事を介助する際に知っておきたいことについてご紹介します。

介助ポイント①食べる姿勢を正しくサポートする

高齢者の食事介助をする際には、食べる姿勢を正しくサポートしましょう。
姿勢が崩れるとむせたり、誤嚥したりしやすくなります。

背中が60~90°くらいの角度に保たれていて、顎が引き気味になっているのが理想的な姿勢です。
もし、姿勢の維持が難しければ、クッションなどを使って姿勢を正しく保てるようサポートしてください。

介助ポイント②口の中をいつも清潔に保つ

介助での食事の際には、口内ケアも欠かせません。
食前・食後にうがい・歯磨きをするようにしてください。

口内には細菌がたくさんいます。
細菌がいる状態で食事をすると、口内の細菌が食事とともに気管や腸内に入ってしまうかもしれません。
気管に入ると誤嚥性肺炎になるリスクが高まり、腸内に入ると老廃物の蓄積による便秘になりやすくなるリスクがあります[1]。

高齢者の方は誤嚥性肺炎・便秘ともになりやすいため[2]、口内を清潔に保つようにしてください。

介助ポイント③楽しい食事環境を提供する

食事は生きる楽しみであるため、食事環境を楽しく彩ることも大切なポイントです。
高齢ではない方であっても、食事環境が楽しければ食が進むのではないでしょうか。

高齢者の方は胃腸機能の低下、食べにくさ、噛みにくさなどから食が細くなりがちな方が多いものです。
楽しい食事環境を提供して、楽しく、おいしく、進んで食べてもらえるように配慮しましょう。

介助ポイント④水分が多い料理から与える

介助の際には水分が多い料理から与えると、スムーズに食べてくれることが多くなります。
高齢者の方は唾液の分泌量が少なく、乾いた口の中に乾いた食品が入ると食べにくく感じてしまうためです。

たとえば、まずはお粥を食べて、その後に肉料理や魚料理を与える…との順番にすれば、比較的飲み込みやすくなるでしょう。

高齢者の方の特徴を知って、食べやすいように順番も工夫したいものです。

【関連記事】食事介助の留意点とは?留意すべきポイントや注意点を解説

 

高齢者の方においしく食事をしてもらうには注意点を把握して

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、高齢者の方の食事における注意点がご理解いただけたと思います。

高齢者の方は咀嚼力や嚥下力、唾液の分泌能力が低下しているため、食事に食べづらさを感じやすくなるものです。
注意点や高齢者の方の身体の特徴を把握できれば、より食べやすい食事を提供できるでしょう。

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