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老人ホームの行事食とは?内容や特徴を紹介

老人ホームなどの高齢者施設では、特定の時期やイベントが行われる際に「行事食」が提供されています。
朝・昼・夜の一日3食にかけて提供される食事は「通常食」「普通食」と呼ばれており、行事食とは区別されています。

高齢者施設では行事食が出ることを楽しみにしている入所者も多く、体調や健康上の問題で外食ができなくても、食事に対する満足感を高められます。

この記事では、老人ホームの行事食について、内容や目的、食事に採用されている工夫について紹介します。どのような食材や調理方法が取り入れられているのか、行事を重視する理由などとあわせてぜひ参考にしてください。

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老人ホームの行事食とは?

老人ホームの行事食とは、一年のうちに正月やクリスマスなどの行事に合わせてふるまわれる食事です。
普通食だけでは飽きがきてしまう場合がありますが、行事食を含めることで四季や季節の移ろいを感じ、一年を楽しく過ごしてもらおうという目的があります。

食事は、盛り付けや味わいといったさまざまな要素によって美味しく食べられます。
しかし同じ食事ばかりでは食べ慣れてしまい、食事を楽しいと感じにくくなってしまうものです。そこで、行事食を取り入れてメニューに楽しみを見いだせるように、食事時間を楽しく華やかに彩ります。

 

行事食の内容

行事食は季節ごとに特徴的なメニューが提供されますが、施設によって具材や味付けなどの内容には違いがあります
老人ホームのような介護施設では、月代わりまたは行事ごとに決められたメニューを行事食として取り入れています。

行事ごとのメニューとしては、以下のような例が挙げられます。

行事食の例①正月

1月は一年の始まりである正月です。
介護を受ける人々が、普段口にしていたようにおせちやお雑煮といったメニューがラインナップされ、新年が終わると七草がゆが加わります。

行事食の例②春

3月から5月までは春の行事食として、ひなまつりのちらし寿司やお彼岸を象徴するひし形の菓子がメニューに取り入れられます。
桜の季節には花見を連想させられるように、桜色の菓子や春の季節野菜を取り入れたメニューとなります。

行事食の例③夏

6月から8月は初夏から夏に入ります。
ジメジメとした季節には梅風味やお酢などのさっぱりとした味付け、川を連想させるそうめんのようなメニューが登場します。
地域にもよりますが、7月から8月にかけては土用の丑の日やお盆にあわせたうなぎ料理、精進料理が取り入れられます。

行事食の例④秋

9月から11月は秋の味覚として、お月見を象徴する菓子やサンマ、栗や柿がメニューに加わります。
日本ではあまりなじみのないハロウィンも、施設によってはカボチャ料理として取り入れられる場合があります。
炊き込みご飯のようにいろいろな食材を組み合わせたメニューは彩りも鮮やかで、食欲を掻き立ててくれるでしょう。

行事食の例⑤冬

12月から2月までは冬の季節らしく、温かい鍋料理や汁物がふるまわれます。
1月には正月として特別なメニューとなりますが、12月にはクリスマスがありケーキがデザートに登場します。
2月には節分の豆料理、バレンタインデーのチョコレート風味のスイーツが人気です。

行事食の例⑥その他

入所者の誕生日に合わせて、お祝いのケーキやスイーツが出される施設もあります。
誕生日は行事とは異なるものですが、1年に一度の誕生日は当事者にとって特別な日であるため、盛り付けを華やかにしたり、ご本人自身で好きな食材を使って調理したりと、施設ごとに工夫されています。

 

行事食を提供する目的

行事食は季節や行事に応じて提供されますが、主に以下の3つの目的が理由として挙げられます。

目的①食欲を増やす

行事食はイベントに合わせてふるまうもので、特別な雰囲気とともに「食べたい」という気持ちを掻き立ててくれるものです。
毎日同じような食事が続くと、飽きが来て食事そのものを楽しみにくくなってしまいます。

老人ホームでは体調や高齢化の関係で食欲が低下するケースが多いため、栄養のバランスが偏らないように食事を楽しく摂ってもらう工夫が必要になります。
そこで、食欲を増進させる目的で行事食が提供されています。

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目的②季節感を楽しんでもらう

単調な日々を過ごしやすい老人ホームの利用者さんにも、季節の雰囲気を楽しんでもらえるのが行事食です。

普段外に出る機会が少ない老人ホームでは、肌で寒暖差や空気感を実感しにくいものです。
そこで、季節の移ろいを感じるために行事食が取り入れられています。

普段から行事を楽しんでいる方にとっては、イベントごとの食事で日々の移ろいを実感し、食事そのものも楽しめるようになります。

目的③生活の質を上げる

食事は一日複数回行われるもので、健康を維持するためには内容が重要です。
しかし、栄養バランスに配慮するだけでは食事が味気ないものに感じられ、精神的な満足感を実感しにくいというデメリットもあります。
そこで、生活の質を上げるために行事食が提供されています。

バレンタインデーのチョコレート菓子やクリスマスのケーキなどはその代表的なもので、食べるという行為に喜びや楽しみを見いだせるようになります。

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行事食に取り入れられている工夫

行事食には、季節感の実感や生活の質を上げる目的のほかにも、さまざまな目的で調理が行われています。
ここからは、行事食に取り入れられている工夫についてみていきましょう。

工夫①治療食

治療食は、既往症や体調の問題を抱えている方のために、特定の食品を除いたり糖分や塩分を調整したりして作られる食事です。

病気から回復中の方は、栄養をつけられるように栄養のバランスに配慮したメニューが提供されます。
一例として、腎臓が悪い方には減塩メニューが、糖尿病の方には糖尿病用の療法食が作られます。

健康への配慮として、一人ひとりの健康状態に合わせたメニュー構成となっています。

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工夫②水分量

普通食の飲食ではあまり気にとめない水分量ですが、老人ホームの入所者にとっては咀嚼や嚥下に関わる重要な要素です。

水分が多い食事ほど噛みやすく、飲み込みやすいメリットがありますが、流動食のように水っぽくなると味を感じにくくなるため、老人ホームの食事では口に入れたときの満足感も失わないように、水分量を調整しています。

工夫③食事形態

行事食や普通食の調理方法は、老人ホームに入所する方の身体機能に合わせて作られます。

「普通食」「軟菜食」「きざみ食」「ミキサー食」のそれぞれが提供されており、介護の程度が低い方ほど普通食に近いメニューがふるまわれます。
反対に、重度の介護が必要な方には細かく刻んだり砕いたりして食べやすく調理したメニューが提供されています。

食事形態①普通食

普通食は、歯・舌・喉の状態にそれぞれ問題がなく、食事を通常どおりこなせる方に提供される食事です。
食堂のメニューと同じように、普通の固さで炊いたご飯とおかずが出されます。

普通食のなかでも、塩分や糖分に配慮したメニューが治療食として提供されることがあります。

【関連記事】介護食とは?普通食との違い5つの種類と作り方のポイントを解説

食事形態②軟菜食

軟菜食は普通食とほとんど見た目が同じですが、軟らかく調理しており咀嚼や飲み込みをスムーズに行えるように配慮している食事です。

軟らかく調理したメニューの一例として、肉じゃがは野菜を炒めてから通常よりも長く煮たあと、片栗粉をまぶしてとろみを適度に付けた肉を入れ、さらにひと煮立ちさせます。
肉は普通食よりも細かく切って煮るため、喉につかえず飲み込みがしやすくなります。

食事形態③きざみ食

きざみ食は、食材そのものを細かくきざんで咀嚼機能をサポートする食事です。

食材を刻んだメニューの一例としては、焼き魚が挙げられます。
そのまま魚の切り身を焼いて出すのではなく、細かく刻んで骨も取り除き、口の中から喉にかけてつかえないように工夫しています。

【関連記事】きざみ食とは?メリットやデメリットと作り方のポイントを解説

食事形態④ミキサー食

ミキサー食は、食材を刻むだけでは飲み込みがうまく行えない方に向けて、ミキサーにかけてペースト状にして嚥下機能をサポートする食事です。

ミキサーにかけるメニューの一例としてはオムレツなどが挙げられます。
通常にオムレツを調理してから、そのままミキサーにかけてペースト状にします。
ペースト状にしたあとでケチャップなどの調味料をペーストの横に盛り付け、彩りを加えます。

【関連記事】ミキサー食とは?ミキサー食を作る際のポイントや注意点を解説

 

行事食の特徴や目的ごとの調理法をチェック

今回は、老人ホームで提供されている行事食の特徴や目的、行事食以外にもさまざまな目的で作られている食事について紹介しました。

普通食をベースに作られる軟菜食やミキサー食は、老人ホームに入所している方々の体調や食事機能に合わせて調理されています。
そこへ治療食や行事ごとの食材を取り入れた行事食が組み合わせられるため、単調になりすぎず一人ひとりの方に適したメニューができあがります。

行事食のもつ意味と役割、他の調理方法をチェックして、ぜひ新しい介護施設選びの参考にしてください。

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施設向け食材を検討している方へ

センターミール株式会社では、高齢者向け施設における食事の提供を、ただの「食事の時間」から「楽しみの時間」へと変えることを目指しています。私たちの食材は、おいしさを最優先に考えながらも、施設の予算に配慮した価格設定で提供しています。また、各施設のニーズに合わせて、メニューのカスタマイズも柔軟に対応可能です。

初めて業者をご利用される方も業者の入れ替えを検討している方もぜひ一度ご相談をしてください。

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