流動食とはどのような食事か?種類や作る際の注意点も紹介
「流動食とは?」
「流動食の種類は?」
「流動食を作る際の注意点が知りたい」
介護食には、さまざまな種類があります。
本記事では、消化の良さが特徴の「流動食」について、詳しく解説していきます。
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目次
流動食とは?
流動食は、消化や嚥下に困難がある人々のための食事です。
主食にはおかゆの上澄み液の重湯や、具なしの汁物、茶わん蒸し、ヨーグルトなど液状のもの、固形のものでも噛まずに摂取できる食品が含まれます。
手術後や高熱で胃が弱くなった方にも適しており、栄養バランスが考慮された安全な選択肢です。
消化器官の負担を軽減しながら栄養を摂取できるため、回復期の重要な食事といえます。
流動食は、嚥下力や胃の負担が不安定な方にやさしい食事であり、必要な栄養を補給しながら体の回復を促す役割を果たします。
流動食がおすすめの方
先述したように、流動食は、咀嚼機能が低下した高齢者だけでなく、手術後や発熱などで胃が弱くなった方にもおすすめです。
咀嚼機能が低下すると、固形の食べ物を摂取することが難しくなりますが、流動食ならば噛まずに食べることができます。
また、手術後や発熱によって胃が弱くなると、胃への負担を軽減しながら栄養を摂取することが重要になってきます。
流動食は、消化器官の負担を軽減しながら栄養を摂取できるため、このような方々に適した食事です。
流動食の種類
一口に流動食といっても、その種類は以下の3つに分類できます。
- 特殊流動食
- 濃厚流動食
- 普通流動食
それぞれ特徴を見ていきましょう。
種類①特殊流動食
普通流動食は、固形物の摂取ができない状況で手作りされる流動食です。
おかゆの上澄みである「重湯」や、具のないスープ、果汁、牛乳などが主に使用されます。
また、タンパク質を摂取するためにヨーグルトも利用されることも。
普通流動食は、手術や絶食などの直後で普通の食事が摂取できない状況下で一時的に栄養を摂る手段として使用されます。
栄養を十分に補給しながら、消化や吸収に負担をかけずに体力を回復させる役割を果たします。
種類②濃厚流動食
濃厚流動食は、少量で高カロリーな摂取が可能な流動食です。
さらに、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も含まれており、しっかりと栄養補給を行えます。
濃厚流動食は販売するメーカーによって成分や内容が異なりますが、一般的には200mlのパックひとつに200~400kcalの高いカロリーが含まれています。
これにより、体力を回復させながらの十分な栄養摂取が可能です。
濃厚流動食は、栄養バランスを確保しながら摂取量を調整したい場合や、栄養不足を補うために利用すると良いでしょう。
種類③普通流動食
特殊流動食は、特定の疾患に対応した流動食です。
たとえば、腎臓病ではたんぱく質の摂取を制限する必要があります。
というのも、たんぱく質を制限しないと、身体に害を与える小さな形のたんぱく質が生成されるからです。
ほかにも、膵炎では脂肪、循環器疾患ではナトリウムなど、病気によって特定の栄養素や成分を制限する必要があります。
特殊流動食は、適切なカロリーを摂りながら危険な成分を避けることができるため、病気に適した栄養摂取をサポートします。
流動食を作る際の注意点
最後に、流動食を作る際の注意点を2つに分けてご紹介します。
- 適切なカロリーや栄養のバランスを考える
- 誤嚥を防止する
それぞれ順にご確認ください。
注意点①適切なカロリーや栄養のバランスを考える
流動食を作る際の注意点のひとつは、適切なカロリーや栄養のバランスを考えることです。
とくに、濃厚流動食や特殊流動食の場合、摂取する人の体調や疾患に合わせた栄養補給が必要です。
カロリーの摂取量やたんぱく質、ビタミン、ミネラルの含有量など、バランスを取りながら適切な量を配慮することが重要です。
食材の選定や調理方法、栄養士や医師の指導も参考にしながら、栄養素のバランスが整った流動食を提供することが求められます。
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注意点②誤嚥を防止する
流動食を作る際の注意点のひとつは、誤嚥(ごえん)を防止することです。
誤嚥とは、食物や液体が誤って気道に入ることを指します。
誤嚥は肺炎や窒息など重大な合併症を引き起こす可能性があります。
そのため、流動食を作る際には食材の適切な調理、粉砕、細かな嚥下評価などを行うことが重要です。
また、食事時の姿勢の適切な調整や、食べ物の量や飲み物の流量の管理なども必要です。
これらの注意点を守ることで誤嚥を防止し、安全な摂取を実現できます。
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流動食とは噛まずに摂取できる食事
今回は、流動食について解説してきました。
流動食とは、普通の食事とは異なり、噛む必要がなく喉を通すことができる食事のことを指します。
主に高齢者や嚥下困難な人々に適しており、食材を粉砕したり、液体やゼリー状にしたりして作られます。
噛むことが難しい場合でも、栄養バランスを考慮してさまざまな食材を利用し、必要な栄養素を摂取できるように工夫できるのが流動食の魅力です。
咀嚼力や飲み込む力に制約がある人々にとって、流動食は重要な食事の選択肢となります。