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介護食に必要なとろみとは?とろみをつける際のコツも紹介

「とろみを介護食につける際のコツは?」
「とろみの濃度の違いが知りたい」
「とろみ剤の選び方は?」
介護において、食事の際の注意点は非常に多岐にわたります。
本記事では、介護食に必要不可欠な「とろみ」について詳しく解説していきます。

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介護食に用いられる「とろみ」とは

とろみは、介護食で頻繁に使用される調理要素のひとつです。
とろみを加えることにより、食べ物や飲み物が中華料理のあんのようにとろとろとした状態になります。
介護食では主に誤嚥(ごえん)を防ぐためにとろみが必要です。
とろみは、食べ物や飲み物を喉にゆっくりと送ることができるため、食べ物をまとまりやすくし、簡単に飲み込むことが可能となります。
これにより、誤嚥のリスクを低減し、安全な摂取が促されます。

【関連記事】介護食とは?普通食との違い5つの種類と作り方のポイントを解説

 

とろみの濃度の違い

実は、とろみには濃度によって違いがあります。
これは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013によって定められた基準です。
一般的には、以下の3つに分けられます。

  • 薄いとろみ
  • 中間のとろみ
  • 濃いとろみ

それぞれ解説していきます。

薄いとろみ

薄いとろみは、具体的にはあまり気にならない程度の薄さのとろみです。
スプーンを傾けるとすっと流れ落ち、カップを傾けると跡がうっすらと残ります。
薄いとろみはストローでも簡単に吸うことができ、飲み込みも容易です。
このようなとろみを使用することにより、食事や飲み物を摂取する際にスムーズな流れとなり、食べ物を安全かつ快適に摂ることができます。

中間のとろみ

中間のとろみは、とろみの濃度の中間に位置するもので、脳卒中後の嚥下障害などで最初に選択されることが多いです。
スプーンを傾けるととろっと流れ落ち、カップを傾けても全体にコーティングしたような付着が見られます。
ストローで吸うとやや抵抗を感じることもあるでしょう。
中間のとろみは、食物を吸収しやすくするために使用されるため、嚥下の問題を抱える人々にとって重要な役割を果たします。

濃いとろみ

濃いとろみは、ケチャップのようにどろっとしており、とろみが明らかにわかります。
具体的には、スプーンを傾けても流れにくく、形状が保たれるほどのとろみです。
カップを傾けても流れ落ちず、ゆっくりと塊になって落ちます。
ストローで吸うことは困難です。
濃いとろみは、食事や飲み物を固形やペースト状にするために使用され、とくに嚥下障害を抱える人々に役立ちます。

【関連記事】嚥下食とは?嚥下障害や定められている基準も解説

食事にとろみをつける方法

ここからは、実際に食事にとろみをつける方法を解説していきます。
主な方法は以下の3つです。

  • ゼラチンを使う
  • 水溶き片栗粉を使う
  • とろみ剤を使う

それぞれ確認してください。

方法①ゼラチンを使う

ゼラチンを使用することで食事にとろみをつけることができます。
冷やすとゼラチンが固まる性質を利用して、ムースやプリンなどのデザートにも利用されます。
ただし、ゼラチンは動物性由来の成分のため、ベジタリアンやヴィーガンの方には適していないほか、栄養も考える必要があるでしょう。

方法②水溶き片栗粉を使う

水溶き片栗粉は、食事にとろみをつけるための簡単な方法です。
片栗粉を水やほかの液体と混ぜて溶かし、加熱することでとろみが生まれます。
食材や液体に少しずつ加えながら混ぜると、好みのとろみを調節できます。
これは介護の場面以外にも、料理やデザートの調理に広く利用されている方法です。

方法③とろみ剤を使う

とろみ剤を使って食事にとろみをつける方法は、介護の場ではもっともポピュラーな方法です。
食べやすさや嚥下のサポートに役立ちますが、適切な量を守ることも重要。
とろみが強すぎると粘度が増し、口やのどに張り付きやすくなり、むせる原因になる可能性があります。
適量を守り、個々の嚥下能力や健康状態に配慮したうえで使いましょう。
また、ダマにも注意が必要です。
対策法は後述するので、ぜひチェックしてみてください。

とろみ剤の選び方

ここからは、とろみ剤の選び方を見ていきましょう。
おすすめは、以下の3つのポイントを押さえたとろみ剤です。

  • 無味無臭のもの
  • 個包装のもの
  • とろみの調整ができるもの

それぞれ解説していきます。

選び方①無味無臭のもの

無味無臭のとろみ剤を選ぶことは、料理や飲み物の味や香りを損なうことなくとろみをつけるための重要なポイントです。
無味無臭のとろみ剤は、食材の風味、食事や飲み物の香りを変えることなく、スムーズな食べ物や飲み物の摂取をサポートします。
食材や料理の特徴を引き立てるためには、無味無臭のとろみ剤を選ぶことが重要です。

選び方②個包装のもの

個包装されたとろみ剤を選ぶことも、衛生面や使いやすさの点で重要です。
個包装になっているとろみ剤は、使用する分だけ開封できるため、保存や衛生面で優れています。
また、使い残しを防ぐことができ、使いやすさと効率性を両立させられるでしょう。
個包装のとろみ剤は、食事や飲み物のとろみ調整に便利な選択肢となります。

選び方③とろみの調整ができるもの

とろみの調整ができるとろみ剤を選ぶことも、料理や飲み物に合わせた好みのとろみを実現するために重要です。
調整可能なとろみ剤は、使用量や混ぜ方を調整することで、さまざまな粘度や濃度のとろみを作り出すことができます。
このような柔軟性があるとろみ剤を選ぶことで、食材や料理の特徴を最大限に引き出し、理想的な食体験を実現できます。

介護食にとろみをつける際のコツ

最後に、介護食にとろみをつける際のコツを紹介して終わります。
基本的には、以下の3つを押さえておけばうまくいくでしょう。

  • 介護食を食べる方に合わせて調整する
  • ダマにならないようによく溶かす
  • 使用量を守る

それぞれ確認してください。

コツ①介護食を食べる方に合わせて調整する

介護食にとろみをつける際のコツは、食べる方の嚥下能力や好みに合わせて調整することです。
一人ひとりの食事状態や口腔の状態を考慮し、とろみの量や粘度を調整することで、食べやすさの向上や嚥下リスクの最小化ができるでしょう。
食べる方の声を大切にし、安全かつ快適な食事環境を提供することが重要です。

コツ②ダマにならないようによく溶かす

とろみ剤を介護食に使う際の最大のコツが、ダマにならないようによく溶かすことです。
円状にかき混ぜた後、スプーンを前後に動かすとよく混ざります。
ミニ泡立て器を使用するのもおすすめです。
ダマを防ぎ、食べやすさを確保するため、丁寧な溶解作業が重要です。

コツ③使用量を守る

介護食にとろみをつける際のコツのひとつは、とろみ剤の使用量を守ることです。
使用量を適切に調整することで、食事の粘度を安定させられます。
使用量が多すぎると食べにくくなり、少なすぎると十分なとろみが得られません。
食べる方のニーズに合わせ、正確な量を守ることが重要です。

介護食におけるとろみは誤嚥を防ぐ重要な要素

今回は、介護食におけるとろみについて解説してきました。
介護食におけるとろみは、高齢者や嚥下機能に障害のある方にとって重要な要素です。
介護食を食べる方に合わせて調整することや、とろみ剤をダマにならないようによく溶かすこと、そして使用量を守ることが大切です。
これらのコツを押さえることで、食事の安全性と摂取量の確保に役立ちます。
異なる食事ニーズに対応するため、正確なとろみの加減を行いましょう。

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