サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事内容とは?
高齢化社会の今、さまざまなタイプの高齢者向けの施設が増えています。
今回、ご紹介する「サービス付き高齢者向け住宅」は、他の介護施設と比較すると、プライベート感や自由度、サービスの選択が多いなどの特徴があります。
気になる食事については、任意で食事提供サービスを利用することができます。
本記事は、サービス付き高齢者向け住宅について、食事提供サービスに焦点をしぼって解説します。
安くておいしい3食650円~センターミールのサービスについてはこちら >
目次
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?
国が定める法律「高齢者住まい法」によって運営されている高齢者を対象としたサービス付きの住宅です。略して「サ高住」という名称で呼ばれています。
「サ高住」は、高齢者に配慮のあるバリアフリー構造で、介護専門のプロが配属されているので安否確認や相談窓口が充実しているのが特徴です。入居者の安全を見守るサービスでは常時、声かえなどを行っているので安心です。
「サ高住」には、以下の介護専門のプロが入居者のサポートを行っているので、何か困ったことがあった場合は、相談にのってもらえるのが心強いです。
※「サ高住」に配置されている介護ケア専門家
- 医師
- 看護師
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
- 介護職員初任者研修課程修了者
- 社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員
また、入居は単身または夫婦で今まで通り暮らすこともできます。
「サ高住」は、入居者の健康状態に合わせて、以下の2つのタイプが用意されています。
- 介護型:生活に介護を必要とする方を対象としている
- 一般型:自立生活ができる方を対象としている
介護型は、要介護レベルが重度でも入居可能です。施設内に介護サービスが整備されています。一般型は、要介護レベルが重度の場合は入居が難しく、入居後に要介護レベルが高くなった場合は退去が必要になるケースもあります。
なお、「サ高住」の入居要件は、60歳以上の方または、60歳未満で要介護認定を受けている方に限ります。施設によってさらに条件がある場合もありますので、入居希望する際は、問い合わせて確認してください。
介護型または一般型を選ぶ際は、将来的な介護の必要性と希望するライフスタイルを考えて検討しましょう。
サ高住の食事提供の必要性
高齢者施設に入居を考えると、まずは食生活が気になるところですね。
一般的には「サ高住」の施設内では食事提供のサービスはなく、オプションとして提供しているケースが多いです。
では、「サ高住」に入居したら食事はどうする?と考えた場合、いろいろな選択肢があるので安心してください。
例えば、もし、入居者が自立型のライフスタイルが可能であれば、施設内に設置してあるキッチンを使って自炊することができます。自炊ができても、都合に合わせて食事提供サービスを頼みたいという場合は、それも可能です。
一方、介護が必要で、普通食ではなく介護食を希望する場合は、施設内の食事提供サービスを利用できます。
入居者の健康状態によって、「サ高住」の施設内における食事提供サービスの必要性も変わってきます。
サ高住の料理は誰が作る?
「サ高住」の施設内に厨房があり、朝昼晩と随時、食事提供しているところもあります。 併設している介護施設が食事提供サービスをしているので、入居者は、オプション費用を払うと自由に利用することが可能です。
「サ高住」の食事の献立は、食事提供サービス利用者の健康状態に合ったメニューを考えて普通食から介護食まで幅広く対応してくれます。
施設によっては、厨房で働くスタッフの様子が見えるようになっているところもあり、作り手の様子がオープンになっていると、利用者は安心して食事ができます。
【関連記事】介護食とは?普通食との違い5つの種類と作り方のポイントを解説
サ高住の食事提供サービスの特徴
高齢者になると、毎日の食事や健康管理が気になりますね。特に食事制限が必要な方であれば、施設の食提供サービスで大丈夫なのか?また、利用できる頻度なども知りたいでしょう。
では、「サ高住」の食事提供サービスの特徴を紹介しましょう。
特徴①利用回数やサービスの選択は自由である
食事の利用回数は、朝食だけ、夕食だけ、またはすべて食事提供サービスと利用する、いずれも入居者の要望に合わせて対応しています。
自立型で入居している方は、自炊を続けたい方もいらっしゃるでしょう。「サ高住」での生活は、自炊と食事提供サービスを併用してできるので、食事づくりの負担がないようにアレンジできます。
ただし、「サ高住」の食事提供サービスは施設ごとに特徴がありますので、まずは入居前に見学して、味や献立、サービス内容をチェックすることをおすすめします。
「サ高住」は、有料老人ホームのように食事提供がサービスに組み込まれていないので、入居者のニーズに合わせて自炊、サービス利用、宅配利用など選択が自由です。
特徴②食事メニューは入居者によって異なる
「サ高住」では、専門の管理栄養士が入居者の健康状態に合わせて献立を考えてくれるので、健康管理がしやすくなっています。
高齢者になって咀嚼力が弱くなった方には、食べやすい食材や調理法で提供してくれます。
自立型ではなく介護型の住居に入居する方は食事介助が必要になりますので、別途相談して、詳しい内容を確認すると良いでしょう。
また、入居者の娯楽になるような季節やイベントに合わせた特別料理も食事提供サービスの楽しみのひとつです。介護食に飽きることなく、アイディア料理やバラエティに溢れる料理を工夫して提供している施設もあります。
【関連記事】老人ホームの行事食とは?内容や特徴を紹介
サ高住での食事提供の方法
「サ高住」の入居者が食事環境を整えるには、以下の方法で検討しましょう。
方法①施設内のキッチンを使って自炊する
入居者が、自由に買い出しや料理ができて、普通食で問題ない方には、施設内のキッチンを利用して自炊することをおすすめします。年齢と共に、食事制限や行動制限が増えてきますが、自炊できるエネルギーがあるうちは、できるだけ自分で作った料理を楽しむと良いでしょう。料理をすることは、調理用具を器用に使ったり、献立を考えたり、食事の香りを楽しんだり、さまざまな刺激が脳活性化に繋がります。
ただし、時には自炊ができない、したくない場合もありますね。そこで便利なのが「サ高住」の食事提供サービスです。臨機応変に利用できます。
方法②外部業者へ一部委託しているところもある
「サ高住」の施設内には食事提供サービスを全般的に行っていない所もあります。 例えば、施設内でご飯は炊いておかずは外部委託する場合、または、料理はすべて外部委託で、施設内では温めるだけの場合など、各施設によってサービスは異なります。
例えば、自炊している方が、ご飯は自分で炊いて、おかずだけは食事提供サービスを利用するということもできます。
一部委託の場合は、施設内で食事を提供するためのコストや人件費が抑えられるので比較的安く利用できます。ただし、会社によっては、冷凍食の場合もあり、施設内の厨房で作るよりも味が劣ることもあります。
【関連記事】介護施設や老人ホームでの食事提供にあたり必要な手続きとは?
方法③宅配サービスを利用する
「サ高住」の施設内の食事提供は、すべて宅配サービスに任せている所もあります。
入居者が必要な食事を毎回、宅配サービスで注文できるようになります。
宅配サービスの場合、介護食に特化した会社もありますので、食事の選択技はたくさんあります。また、宅配サービスは、いつも自炊している入居者が、たまに利用するというのもできます。
サ高住でかかる食事提供の費用の相場
「サ高住」の食事提供サービスの利用の費用相場は、平均4.3万円以上になります。
食材や献立の種類、品数などによって食事提供にかかるコストや、入居者の利用回数によっても費用が変ってきます。また施設の立地条件(都内または県外)によっても費用はさまざまです。
食事提供サービスは、オプション費用として別途支払うようになりますので、もし自炊が可能な方であれば、平均相場より安く抑えて利用することもできます。
食事提供サービスの支払い方法については、毎食ごとに支払う、または月額まとめて支払う方法になります。朝食400円程度、昼食・夕食700円程度が目安です。
ちなみに、「サ高住」の入居費用の相場は、初期費用27万、月額11.1〜20万円程度です。
入居費用を予算として考えて、プラスオプション費用として、食事提供サービスが利用できる範囲であるか検討すると良いでしょう。
サ高住の食事で重視するポイント
毎日の食事にこだわりたい、特に介護食を希望する方は、栄養バランスや調理方法が気になりますね。では、「サ高住」の食事で重視するポイントを解説します。
ポイント①栄養バランスはとれている?
食事制限のない方も介護食を希望する方も、いずれも毎日の食事は、栄養バランスの良いものを考えたいですね。特に介護食を希望する方は、普通食より柔らかく工夫したメニューができるのか?毎日の献立のバリエーションなどを確認することをおすすめします。
「サ高住」など高齢者施設に入居する目的のひとつは、食生活を豊かにしたいということがあるでしょう。一人暮らしの高齢者の方の栄養バランスが悪くなる傾向があり、その理由としては、一人だから面倒、献立を考えるのが難しい、毎日違う献立はできない、買い出しが大変等があげられます。「サ高住」に入居すれば、これらの問題は解消され、栄養バランスの良い食生活がおくれるようになります。
【関連記事】高齢者に多い「低栄養」とは?症状やケア方法を紹介
ポイント②味の好みは大丈夫?
長年、自宅で炊事していた主婦の方が、「サ高住」の食事提供サービスを利用する場合、ご自分の味との違いで、慣れるまで時間がかかることもあるでしょう。
入居したい施設の食事と自分の味の好みが合うかどうか、味のこだわりがある方は特に気にになりますね。
また、糖尿病の方は塩分少なめに、動脈硬化や骨粗しょう症が気になる方は糖分控えめにといった食事制限が必要です。味の好みと健康管理のために、適切な献立ができるか施設に相談してみると良いでしょう。
ポイント③咀嚼力・嚥下力がなくても
食事提供サービスの食事内容が、噛む力や飲み込む力が弱まった人向けになっているか確認が必要です。介護食は、健康状態によって食材の調理方法が違います。入居される方の状態を詳しく説明して、適切な食事を提供してもらえるか確認しましょう。
ポイント④彩りも気にしましょう
食事の栄養バランスは重要ですが、盛り付けや彩りが良いと食欲が湧いて食が進むということもあります。実際に入居予定の施設へ出向いて、どんな食事を提供しているのか視覚的にもチェックしておくと良いでしょう。
サ高住の食事提供サービスを選ぶ際の注意点
では、具体的に入居したい施設へ見学に行った場合、どのような点を確認したらよいのか、ポイントを解説します。
注意点①試食サービスを利用して味を確認する
味の好みが気になる方は、施設の試食サービスで確認してみましょう。施設のホームページからおおよその献立はわかりますが、実際に試食してみるのが一番です。施設によって試食サービスを行っている所もありますので、問い合わせて予約してみると良いでしょう。
特に朝食時間は、比較的少ないスタッフが常勤している時間なので、簡素な献立になりやすくなります、したがって、朝食の内容に注目してみるのも、一つの判断材料になります。
注意点②食事のバリエーションの幅が広いかを確認する
食事提供サービスは、利用頻度を都合に合わせることができますが、もし、毎食注文する場合は、同じような献立だと飽きてしまいますね。1週間のメニュー表を見せてもらって、食事バリエーションについて確認することをおすすめします。食事の好みは、人によってさまざまです。シンプルな食事が好みの方もいれば、品数の多い豪華な献立が好みの方もいらっしゃるでしょう。中華、洋食、和食のバランスもチェックしたいですね。
もし、食事のバリエーションがない場合、食欲が落ちて栄養不足に陥ることも考えられます。まずは、見学に行って献立表のサンプルを見せてもらうと良いでしょう。
注意点③入居者に適した食事形態に対応しているか確認する
介護食は、ミキサー食、ムース食、ソフト食など、入居者の健康状態のレベルに合わせて調理法を工夫することが可能です。歯がなくて噛みにくい方、咽が詰まって飲み込みにくい方、内臓が弱くて献立にこだわる方など、入居者の希望する食事形態はいろいろです。
「サ高住」の食事提供サービスでは、管理栄養士など食の専門家が担当している施設もありますので、入居前に相談して、適切な食生活ができるか確認することをおすすめします。
注意点④食事風景を見て施設環境も確認する
施設を事前見学するメリットは、食事内容を確認する以外に、施設の雰囲気やスタッフの皆さんや入居者の様子が見えて、入居するかどうか判断するのに役立ちます。
食事している時間に伺って、実際に入居している方々の食事風景を見れば、施設の雰囲気がある程度わかります。また、自炊するキッチンや、食事提供で利用している厨房などを見せてもらって衛生管理が行き届いているかチェックしましょう。
注意点⑤食事内容以外にサービス内容を確認する
食事内容を一通り確認したら、サービス内容についても確認しましょう。
高齢者施設に入ってからの不満で多いのは、食事内容以外に、食事に関わるサービスについてです。例えば、食器やコップが衛生的でないことや、配膳、下膳のタイミングが悪いこと、食事に異物が混ざっているなどの苦情もあります。
実際に入居してみないとわからない場面もありますが、衛生面については、事前に見てわかる部分でもあるので、気にして確認しておく方が良いでしょう。
サ高住での食事提供は入居者のニーズに合ったものを選べる
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事提供は、入居者のニーズに合わせて、いろいろな組み合わせで利用できるサービスです。自炊して今までと同じ食生活を続けることもできます。介護食が必要な方は、健康状態に合わせて調理方法を工夫して配膳してもらうことができます。便利な宅配サービスを利用してバラエティ豊かな食生活を楽しむことも可能です。「サ高住」は、高齢者の方が安心して健康で暮らせる環境の中で自由に生活できるシステムになっています。食事に関しても、自由度の高いサービスを利用できますので、まずはいったん見学して気になる点を確認してみると良いでしょう。
高齢者施設向け食材ならセンターミールにお任せください。おいしさや安全性に配慮した給食を提供しています。
郷土料理の提供や行事食のメニューも充実しているため、完調品の配食サービスをご検討の方は、お気軽にご相談ください。