生活習慣病を予防するための食事のポイント
忙しい日々の食生活は、レトルト食品やコンビニの弁当などで偏りがちになってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
生活習慣病のリスクを抑えるには、まずは食生活を見直すことが大切です。
長い間、簡易的で便利な食事をしていた方が、高齢になり時間に余裕ができた頃には、健康状態がよくないというケースも多くあります。
生活習慣病が悪化する前に、予防策として食事の改善をすることをおすすめします。
本記事では、生活習慣病を予防するための食事について、気を付けたいポイントや、食事法について解説します。
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目次
生活習慣病と食事の関係
生活習慣病とは、食事、運動、睡眠や休憩、お酒やたばこの習慣によって病気になる、健康でない状態を意味します。
生活習慣病を予防するには、まずは食事習慣の改善が必要です。
毎日、どんな食事のメニューを食べているのか、規則正しい時間で食事ができているのか、自分の体調にあわせた食事ができているのかなど、栄養面と食事の摂り方を見直してみましょう。
栄養面については、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、それぞれの役割や摂取できる食材を知り、それらをバランスよくメニューに摂り入れるように工夫しましょう。
ただし、栄養素を過剰摂取してしまうことにも注意してください。
どんなに体に良い栄養素でも、過剰摂取するとかえって病気のリスクが高まります。
高齢者の場合、基礎疾患を持っている方は、治療法や服用している薬にあわせて栄養バランスを考えることが必要です。
また、加齢とともに咀嚼力や筋肉の低下など、体の機能が弱まっている高齢者には、専門の栄養士が考えた食事メニューから始めると、生活習慣病のリスクが軽減されます。
なお、生活習慣病の予防には、食生活の改善とともに、適度な運動と睡眠についても意識していきましょう。
生活習慣病を予防するための食事のポイント
生活習慣病の予防には、食事で使う調味料や食材の選び方・量についても知っておきましょう。
体に良いものでも、使い方を間違うとデメリットになる場合もあります。
高齢者の場合、消化力を高めるためにも、とろみをつけ細かく刻むなど調理法の工夫も大切です。
塩分と糖分の摂取量に気をつける
高齢者になると、若いころよりも味覚が鈍くなり、濃い味を好む傾向にあります。
塩分の摂り過ぎは、生活習慣病のリスクが高まるため気を付けましょう。
糖分は、摂りすぎると血糖値が高くなり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まります。
また、肥満や糖尿病にもなりやすくなります。
高齢者の方は、持っている基礎疾患に合わせて、塩分と糖分の摂取量を調整しましょう。
例えば、高血圧症の予防には塩分を控えにして、糖尿病予防には糖分を控えめにしたメニューを考えましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人の1日の塩分摂取量の基準は、男性7.5g未満、女性6.5g未満と設定しています。
【関連記事】高齢者がとる塩分の目安は?制限が必要なときにおすすめの工夫
動物性脂肪の摂取量に気をつける
動物性脂肪は、タンパク質や糖質を摂り入れるために必要な栄養素です。
ただし、摂りすぎると肥満に繋がり、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病のリスクが高まります。
肉類を好んで食べる方は、中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを増やさないように、ほどよい量で食事に摂り入れるようにしましょう。
脂質の摂取量の目安は、総エネルギーの20〜25%程度、成人では、1日50g程度が理想的です。
ビタミン類を積極的に取り入れる
タンパク質、炭水化物、脂質など、体のエネルギー源となる栄養素に加えて、ビタミン類は、体の潤滑油となる役割として積極的に食事に摂り入れましょう。
ビタミンAは、視覚機能に効果的な要素です。ビタミンDは、歯や骨を丈夫にする働き、ビタミンEは、血管、肌、細胞などの老化防止になります。
ビタミンKは、骨粗しょう症の治療薬としても利用されています。
ビタミンBは、疲労回復に役立ち、ビタミンB2は、脂質の代謝に良く、ビタミンB6はタンパク質の代謝を良くします。
ビタミンB12 は、貧血予防になります。
ビタミン類(緑黄色野菜、果物、豚肉、納豆等)は、生活習慣病予防に欠かせない要素としてメニューに摂り入れるようにしましょう。
食物繊維を積極的に摂取する
食物繊維が摂れる食材は、米、豆類、いも類、野菜、果物、きのこ類、海藻類です。
高齢者には、食べやすく噛みやすい調理法で、食物繊維を摂れるようにメニューを工夫すると良いでしょう。
また、高齢者で便秘になりがちな方は、食物繊維を摂りいれることで、改善が期待できます。排泄習慣が乱れると食欲不振になり、低栄養の問題が起きます。
高齢者の便秘は、さまざまな病気のリスクを抱えているため、食物繊維の多い食材を積極的に摂り入れましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準/2020年版」では、一日あたりの目標量を18〜64歳で男性21g以上、女性18g以上と設定しています。
【関連記事】高齢者の便秘を改善させる食べ物や食事とは?
カルシウムをできるだけ多く摂取する
高齢者になると骨や歯が弱まるため、カルシウムは必要な栄養素です。
筋肉の収縮を安定させる効果もあるため、適切な量を食事に摂り入れましょう。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、75歳以上の高齢者の1日のカルシウム摂取の推奨量は、男性で700mg/女性で600mgです。
実際の平均値は男性で561mg/女性で525mgと、男女ともカルシウム不足である結果となっています。
カルシウム不足は、骨粗鬆症のリスクを高めるため、乳製品や野菜、大豆製品などのカルシウムと骨や歯に良いビタミンDを一緒に摂ると吸収力が高まります。
生活習慣病を防ぐ食事方法
生活習慣病にならないように、普段の食生活を見直しましょう。
食事の量や自炊して食べる習慣を付けることをおすすめします。
腹八分目を意識する
脂っこいお肉や、甘いお菓子などは、適量に食べれば問題ありません。
しかし、食べすぎ・飲みすぎの状態が続くと、必要な栄養素を壊してしまう原因となります。
適切な量を意識してください。
厚生労働省のホームページ日本人の食事摂取基準には、年齢に応じた食材の摂取量が設定されていますので、参考にして目安となる数値以上の摂りすぎは控えるように心がけましょう。
外食を控える
外食は、塩分や糖質、脂質が多めに調理されている場合が多く、家庭料理のように調味料や食材を選ぶことができないため、食事の偏りが出やすくなります。また、簡易的なコンビニやスーパーの弁当やお惣菜は、食品添加物が多く使われています。
生活習慣病を予防するには、なるべく食品添加物の少ない食材を選び、自炊することをおすすめします。
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1日3食をバランスよく食べる
栄養バランスの良いメニューを考えて、1日3食、毎日時間を決めて食事の習慣を見直しましょう。
生活習慣病の予防には、偏食や食事を抜くことがないように食事習慣を整えてください。
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生活習慣病の予防は食事改善から始めましょう
1日3食の食事を規則正しく摂ることが難しい方は、ライフスタイルを見直して生活習慣病予防に備えましょう。
塩分や糖分、脂質は摂りすぎに注意して適量に、体を作る食物繊維やタンパク質をしっかりと摂って、体調管理に役立つ果物も大切です。
高齢者になると筋肉が弱まって認知症リスクが高まりますので、カルシウムも必要です。
食生活を充実させることが、何よりも生活習慣病の予防に繋がるでしょう。