高齢者もタンパク質が欠かせない!おすすめの食事メニューを紹介
いつまでも健康で、自立した生活を送るためには、からだに良い食事と程よい運動、睡眠が大切です。
しかし、加齢とともに十分な食事が摂れなくなってきたという方も多いのではないでしょうか。
筋肉の衰えの改善や、集中力・思考力の向上、免疫力を鍛えるためには、タンパク質を積極的に摂り入れることをおすすめします。
本記事では、高齢者の食事に欠かせないタンパク質について、タンパク質不足による影響、タンパク質が取れる食材や食事メニューなどを解説します。
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目次
健康寿命と平均寿命の違い
高齢者の食事を考える際に知っておきたい「健康寿命」「平均寿命」について確認しましょう。
世界保健機関(WHO)による「健康寿命」と「平均寿命」は、男女別に以下の数値となっています(2019年)。
- 健康寿命:72.68歳、女性75.38歳
- 平均寿命:男性81.41歳、女性87.45歳
健康寿命とは2000年にWHO(世界保健機関が設定した指標で、健康上の問題がなく生活できる期間のことです。
平均寿命は、0歳からの余命年数のことです。
健康寿命と平均寿命では、おおよそ10年ほどの差があります。
この差は、健康年齢を過ぎると、介護や病気のリスクが高まることを意味しています。
健康寿命と平均寿命の差を縮め、より長く健康に過ごすには、どうすればよいのでしょうか。
まずは生活習慣を見直して、食事や睡眠、適度な運動を心がけることから始まります。
高齢になると、あっさりしたものを好むようになり、タンパク質不足で病気になりがちです。
食事に欠かせないタンパク質について、正しく理解することをおすすめします。
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高齢者がとるべきタンパク質の量
高齢者のタンパク質不足は、筋肉の衰えや、低栄養などの問題を抱えています。
「フレイル状態」になる前に、食生活を改善しましょう。
フレイルとは、虚弱体質になることです。健康な状態と介護が必要になる間の状態を示します。
要介護の状態にならないように、「フレイル予防」を実践していきましょう。
フレイル予防のために、高齢者に必要なタンパク質の量を確認しておきましょう。
以下は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」による数値です。
65~74歳の高齢者に必要なタンパク質の摂取量について参考にしてください。
- 18~29歳:99~153g/女性75~115g
- 30~49歳:男性99~153g/女性76~118g
- 50~64歳:男性103~148g/女性79~113g
- 65~74歳:男性103~148g/女性79~105g
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タンパク質の不足によって起こること
高齢者のタンパク質不足は、健康状態にさまざまな不調をもたらします。
以下のような症状が現れる前に、予防を心がけましょう。
筋力の低下につながる
タンパク質の役割は、からだの組織や筋肉を作ることです。
体内のタンパク質が不足すると、からだの組織のために必要なタンパク質を補おうと、筋肉にあるタンパク質を分解する力が働くようになります。
これによって、筋力や歩行速度などの低下に繋がり、体力が落ちてしまいます。
また、体力の衰えにより外出の頻度が減ると、日光を浴びる時間や他人との繋がりも少なくなり、精神面にも影響するおそれが高まります。
髪や肌のツヤがなくなる
タンパク質不足は、髪や肌のトラブルにも関係しています。
肌のうるおいを保つためのコラーゲンや、髪にツヤを与えるケラチンなどが生成されにくくなります。
また、タンパク質不足で筋肉が分解されていくことで、顔まわりの筋肉がゆるみ、肌のしわ・たるみ・むくみなどにもつながります。
思考力が低下する
タンパク質から生成される神経伝達物質が不足することから、思考力が低下していきます。
例えば、神経伝達物質であるセロトニンが不足すると、うつになったり、不眠の症状が現れたりします。
また、ドーパミンが不足するとふるえが生じたり、動作が遅くなったり、体が自由に動かなくなります。
免疫力が低下する
タンパク質不足になると、免疫力も低下します。風邪をひきやすくなったり、体調不良が長引いたりしてしまいます。
免疫細胞を作るためには、肉や魚、卵など良質なタンパク質を摂る必要があります。
また、感染症の予防としても、免疫力を高めるためにタンパク質を摂取することをおすすめします。
疲れやすくなる
タンパク質が不足するとアミノ酸が低下して疲れやすくなります。
体の細胞機能が衰えて、ドーパミンやセロトニンが不足し、行動力や思考力が弱くなります。
タンパク質不足が慢性的に続くと、疲労回復から長引いて疲れやすい体質になります。
高齢者がタンパク質を摂取するのにおすすめの食材
タンパク質不足を改善するために、高齢者の方におすすめのタンパク質が摂取できる食材をご紹介します。
ひき肉
高齢になると、咀嚼力や嚥下力が弱まります。そのため、噛みやすく喉につまりにくいひき肉がおすすめです。
介護食や高齢者の食事には、ひき肉を使ったメニューを取り入れるとタンパク質不足を改善できます。
ヨーグルト
良質のタンパク質を摂るには、ヨーグルトをあわせて食べることが効果的です。
例えば、魚や肉にヨーグルトを加えて調理したり、野菜にプラスしてヨーグルトサラダにすると、タンパク質を摂りやすくなります。
また、ヨーグルトを単体を朝食や間食に取り入れるのも良いでしょう。
納豆
納豆もおすすめの食材です。
良質なタンパク質が含まれているほか、タンパク質の合成に関わるビタミンB2も多く含まれています。
また、納豆に含まれる納豆菌は、腸内でビタミンKを産生する働きがあることから、含有量以上に多くのビタミンKが摂取できます。
ビタミンKは骨粗鬆症の予防にもなるため、積極的に食事に取り入れることをおすすめします。
咀嚼力が弱まっている方には、細かく刻んで食べたり、ひきわり納豆を選んだりするとより良いでしょう。
ブロッコリー
野菜の中でも特にタンパク質を摂りやすいのは、ブロッコリーです。
ブロッコリー100gあたりにはタンパク質が5.4g含まれており、健康維持のために積極的に摂りたい野菜です。
さらに、ビタミンCや食物繊維なども豊富なため、サラダや肉類とアレンジして食べると良いでしょう。
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筋肉をつけたい高齢者におすすめの食事メニュー
高齢者で筋肉をつける食事を考える場合、おすすめのメニューをご紹介します。
魚編
タンパク質を効果的に摂り入れたい高齢者の方には、柔らかく脂肪の多い白身魚がおすすめです。
野菜もたっぷり摂れるうえに、さらに食べやすくなるようにあんかけにしています。
白身魚の野菜あんかけ
材料
- たら 1切れ
- 玉ねぎ 半分
- にんじん 半分
- しめじ 適量
- 枝豆 少々
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1/3
- だし 小さじ1/4
- 片栗粉 小さじ1/3
- 油 小さじ1
作り方
- フライパンに油を入れて、たらを焼く
- たらが両面焼けたら、フライパンから取り出しておく
- フライパンに野菜を入れて炒める
- 調味料を加えて、火が通るまで煮る
- 水で溶いた片栗粉を野菜に加えて、とろみを付ける
- 取り出しておいたたらを加えて、あんをからめる
豆類編
次は、タンパク質が豊富な大豆とお米を一緒に炊いて、柔らかくアレンジしたメニューです。
用意する材料は比較的少なく、作り方もとても簡単なので、どなたでも気軽に作れます。
炒り大豆ごはん
材料
- 大豆 10g
- 米 2合
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 小さじ2
- だし 小さじ2
- 酒 大さじ2
作り方
- 研いだ米に大豆を入れて、1時間程置く
- 調味料を加えて、炊飯器で炊く
乳製品編
夏バテ予防にぴったりな、飲みやすく栄養価の高い飲み物をご紹介します。
ミルク&バナナシェイク
材料
- 牛乳 20ℓ
- バナナ 1本
- 砂糖 適量
- 氷 適量
作り方
- 牛乳、バナナ、砂糖をミキサーにかける
- 氷を加えて もう一度ミキサーにかける
肉編
最後に、豆腐とひき肉を使ったメニューです。
豊富なタンパク質を含む大豆で作られた豆腐と、食べやすいひき肉をあわせることで、栄養満点で食べやすい一品が出来上がります。
柔らか豆腐ハンバーグ
材料
- 豆腐 半丁くらい
- 鶏ひき肉 130g
- 玉ねぎ 1/2個
- 片栗粉 大さじ1/2
- 卵 1個
- 塩 適量
- 油 小さじ1
作り方
- 玉ねぎをみじん切りにして炒める
- 炒めた玉ねぎ、鶏肉、水切りした豆腐を混ぜてこねる
- 片栗粉を混ぜて、塩で味付けする
- ネタをハンバーグ型に形成して、フライパンで焼きあげる
高齢者に筋肉をつける食事でタンパク質不足を改善しましょう
タンパク質は、高齢者の筋肉強化に欠かせない栄養素です。
筋力や思考力の低下防止や、免疫力を鍛えるためには、タンパク質を積極的に摂ることをおすすめします。
この記事でご紹介した食材やメニューを参考に、調理法を工夫して、良質なタンパク質を摂り、健康維持を心がけましょう。